±8788(プラマイはちななはちはち)

ネパール在住のワタクシが、ほぼ7年ぶりに更新を始めます・・・。

2015 ネパール大地震 その25 オマケ

地震から、一夜が明けた。

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2015 ネパール大地震 その24

(つづき)

身体はかなり酔っているのを感じているのに、アタマは妙に冴えていた。いや、もちろん思考回路は酔っ払っているのだけれど、なんというのか、芯から通常には戻れないカンジだ。

外にはご近所のネパリがたむろして、ラジオの音など響かせながら、また揺れるらしい、いや、もう揺れないだろう、いや、もし揺れが小さくても、アソコの家はアブナイホイナ、え、じゃあ、通行止めがチャヒンチャでしょ、おいおい、オレは明日からインドだぜホー、車が走れないと荷物がジャンダイナ、けぇがるね、そんなこと言ってもし揺れて車がツブれてもマライ知らんぜよ〜、学校はどうなるのかしら、やってても行けないデショ、などなど、などなど、気持ちが混乱の極みな会話が、聞こえて来ることも、一因だ(と、思った)。

とりあえず、いつも用意はしてあったが、点検を怠っていたランバッグを引っ張り出し、中身を確認し、水と食料の補充を済ませて、冷蔵庫からビールを取り出した。

「そんなに呑んで帰ってきて、アタシャ呑ませませんよ!」(by志ん生)ってのが、居ないのである、我が家には。続きを読む

2015 ネパール大地震 その23

(つづき)

学校を出てからここまで、倒壊していたものといえば橋の脇の寺院、トリプレシュウォールの掛け屋根程度で、後は建物に入ったクラックぐらいであったから、電線を絡め取るように地面に倒れ込んだ電柱が、ようやく、自分に身近な、災害による損害として目に入ってきた。

とはいっても、周りの建物や路面等になんの被害も見受けられないものだから、写メを撮ってみても、ただの倒れこんだ電柱でしかなく、これでは台風なのか自壊なのか交通事故なのかすら、見分けがつかない。酔ったアタマで、ぼんやりと復旧作業を見つつ、

「オレ、いま、なにしてんねやろ・・・」

という思いが沸き上がってきた。続きを読む

2015 ネパール大地震 その22

(つづき)

となりにチョンガーズ・校長、その向こうにA先生という配置で、黙々とビールを飲み続けるワタクシ。ノドが乾いているのも、それは、そうなのだが、とにかくいくら呑んでも酔いが回ってこない。

お店のふたりと発災時の状況を語り合い、あっちではカベにヒビが入ってた、こっちではお店が倒れた、いや、倒れてはないけど、ヒトが中に入りたがらないから、違う意味で倒れるのも時間の問題だ・・・等々、本気とも冗談ともつかないハナシを延々としつつ、次々とグラスを空けた。

今思えばワタクシは、一刻も早く、日常に戻りたかったのである。

なにごともなかった、あの、平穏な日常に戻ることを、無い物ねだりとわかっていながら酒(ビールだけど)の力を借りて、想い続けていたような気がする。


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2015 ネパール大地震 その21

(つづき)

学校でフェイスブックの情報を見ている時点では、ニューロードが潰滅しているのではないか、いや、少なくともインドラチョウク、アサンチョウク、タメルの古い建物は、前評判通り全壊して、我々の知るあのエリアは凄惨な状況になっているのではないか、と想像していたのであるが、ニューロードメイン通りの左右の建物にはほとんど被害が見られず、むしろいつもの通りに建っていて、ちょっとお茶でも飲んでいくか、と思わせるような雰囲気であった。

もちろんお店は全部閉まっているから、そういうわけにはいかないのだけれど、それぐらい、目立った被害もなく、足を踏み込むのもはばかられる、といった雰囲気では、なかったのである。

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2015 ネパール大地震 その20

(つづく)

おいおい、その20だってサ、ワタクシさん、とうとうオカシクなっちゃったんじゃない??だって今、まだ17時前デショ、「その1」が11時50分だから、5時間ちょっとしか、経ってないよ?

あとどんだけ続くのっっ?ねえっっっ?ねえってばぁぁぁっっっ??


さて、皆さんの心の声は置いておいて(置くな!)、ワタクシたちチョンガーズの眼前には、崩れ落ち、土の塊と化した寺院が横たわり、道行く人々が驚愕と落胆の表情で、その光景に見入り、スマホ撮影をしていた。立ち止まると交通の邪魔なので、ササッと倒壊状況を確認してから、ヒトの流れに戻る。

パッと見、建物の倒壊や路面の崩壊等はないのだが、歩きながら通過する建物を上から下まで観察すると、柱沿いに、ビッシイッ、と、音が聞こえるくらい深刻に走ったクラックや、ヒビだらけになりながらも、かろうじて窓枠で引き留められた、高い位置に見えるガラスや(アブな!)、家の間口を支えなければいけないはずが、揺れに耐えきれずに座屈しかかりながら、建っているのがやっと、といった風情の柱や、その他、見た目は地味ながら、構造等を知るヒトがみたら、かなり甚大な建物被害が散見される。

タメルに向かってどんどん進み、スタジアムが見えた、と思ったところで、路上に散乱するコンクリートの塊に出くわした。




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2015 ネパール大地震 その19

(つづき)

さあ、帰ろう、ええ、帰りましょう、と、誰からともなく口にし、校舎を後にしようとして気付いたのだが、ワタクシが、必要な時だけ一日借り上げしている車両(タクシー)が、見当たらない。この日の朝、登校し、昼間の予定はなかったから(というか、授業をしなければならなかったから)、街を流して営業してきて良いよ、と、就業時間を与え、14時に戻ってくるように言ってあったのだが。

これだけネパールとネパールの人々が上を下への大騒ぎをしている中で、バカ正直に戻ってくるはずもなく、いや、彼(運転手)は意外とそういうところ、律儀な男なのであるが、今ここに居ない、ということは、何らかの事情で戻れないのだろう、と、考えることに決めた。携帯電話網があれだけ混雑していたのだから、連絡もできなかったに違いない。

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2015 ネパール大地震 その18

(つづき)

国有宿舎移動組を見送り、ふ、と気付くと、残っているのは独身単身のワタクシたち一味と、お迎えを待つ子供達、そしてその子たちを置いて帰るのが心残りなご家庭数組になっていた。ワタクシたち一味、といっても、なんのことはない、いつも集まっては飲んだくれ、自虐的に「補習校チョンガーズ」などとバカ言ってるワシらのことだ。
(『チョンガー』は単復同型なので、ズ、をつけてはいけないのだ、ホントは)

と、どういう風の吹き回しか、この時になって急に、残っていた6件のご家庭が、ほぼ同時に、立て続けに学校に到着した。


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