人間関係が(異常に)濃い、ここネパール。

タライからカトマンズに戻ってくる車中で、同行したスタッフが言い出した。

「サー(一応敬称)、お姉さんが結婚してこの町に住んでるんですが、ちょっと寄って頂いてヨロシイですか???」

「う〜〜ん、出来るだけ早くカトマンズに到着しないと、今日は山道を行く予定だから宿泊地がなくなっちゃうんだけどなあ・・・。まあ、そういう事情ならしょうがない、手短にな」

次の街。
「サー、ここには親戚のオジサンがいるのであーたらこーたら」
「おまえなあ・・・。親戚巡りツアーじゃないんだから・・・。まあしょうがないけどな、さっさと、な」

・・・次の街
「サー、お世話になった恩師がうんぬん」
「アホか!おまえ!急いでるってゆーてるやろ?!」

と、言ってはいけないのですね、ホントは。彼らも相当遠慮した上で、ここだけは、と思ったとこでしか、実は言ってないのですね。

素通りしたらどうなるか?

テレビなんて普及してない街のこと、道ばたでぼや〜〜っと道路を眺めてる人が、ウチのスタッフが素通りして行くのを発見するね、まず。やる仕事なんてないコノ人、早速ご忠信に走ること間違いなし。「おまえの弟がこの町に来てたのに、素通りして行きやがったぜオレ手まで挙げてやったのに見ないふりしやがってアレは絶対気づいてたね・・・」

お節介なオヤジだなあ・・・なんて、誰も思わないのです。お姉さん、きっと言うね。
「アラソウ、オジサンホントにご親切にわざわざありがとう(ヒマなだけだってば)。ずいぶん冷たい子ねえ、あの子も、昔はもっと優しくて良い子だったのに・・・」

そしてこれが呪怨となるのです。ホントです。
異常に濃い人間関係の中で育った彼らは、テレビなんてないですから、電話も高くてなかなか出来ないですから、お姉さんは一日中「冷たい子ねえ、あの子」って思いながら暮らすに違いないのです。そして驚いたことに、この思いが伝わってしまうのですね、ウチのスタッフに。風邪。下痢。発熱。原因不明の体調不良。。。

医者なんて、効きません。そりゃそうでしょ、呪怨なんだから。薬を飲もうが注射を打とうが、一切効きませんね。多分素通りした本人が文字通り「気に病む」のが原因なんでしょうけど。。。で、彼らはお寺(じゃないんだけど、日本風に言うと)に行き、占い師(全然違うらしいんだけど、まあ、わかりやすく言うと)に、「ドゥルガーの神に山羊の乳をお供えし、毎日朝6時にお参りすることを一週間続けよカ〜〜〜ツ」(<適当。でもこんなカンジらしい)とか言われるのですね。

治るんかいっ!?そんなんで!ええっおいっ?!治るんかいっ????

・・・治るんだな、これが。ホント。疲れることに。。。

彼は神に祈ってるんでしょうが、人間関係が・・・もういいか、そんなわけなので、通じちゃうんでしょうね、きっと、お姉さんに。「そんなに謝らなくてもいいのよ、またダサインでも会えるし、電話だっていつか出来るんだし・・・」とかって、感じちゃうんでしょう、祈りを。本人も「気に病」んでたのが、すっきりするんでしょうね。

ははは。ある意味すごい人たちです、この人達は。

公衆の面前で「おまえなんか死んでしまえ〜〜」って冗談ぽくじゃなくて真顔で言われて、発狂しちゃった人の話とか、ホントに聞くんですってば。

ちなみに祈りはネパール語で、ご存じ「ビンティ」だそうですね。

「○様の耳は、ロバの耳〜〜〜っ。早く民衆の声をきちんと聞け〜〜〜!」

・・・明日、ハッキングされてるかもな、このブログ(爆)・・・&(祈)。