ワタクシの一日は、だいたい同じルーティンで始まる(興味ないよね、うん、知ってる・・・)。

まずは録画された朝ドラ(今は、まれ、だ。大泉洋と小日向文世が良い味出してる。個人的には泯と裕子の田中コンビにシビれているが。祭りは大事だ)を見て、次に同じく録画の昨夜のニュースを見ながら(聞きながら)、メールやネットニュースをチェックした後、登録アプリの新情報をサーフィンするのが寝起きの作業である。

ただ、この日は日曜日であるから「まれ」はお休み、前日の土曜日は9時のニュースもお休みなので、日曜の朝は、たいがい、「ケータイ大喜利」から一日が始まる、ので、あるが・・・。

起き抜けに弟くんと妹さんのメールで、やはり地震があったことを実感させられ、さらにネットニュースでもたくさんM7.8の記事が出ていて、どうしたって、お笑い番組をゆっくり見ている気分には、なれないわけである。

って、フツーに始まってるけど、ワタクシさん(笑)、もう、2日も更新が空いたからこのまましぼんでっちゃうのかと思ってたよ!サボるとカトマンズに置いとかないよ!さあ、気張って気張って!!


一夜明ければ冷静になれるか、と、アタマの片隅で思いながら昨夜の眠りに落ちたワタクシ、いざ朝になってみると、むしろ不安と焦燥感が増している。昨日は目の前に次から次へとやることが出てきて、飲み屋でちょっとお休みはしたものの、家に帰り着いて確認作業が終わるまでは緊張と雑用の連続だったから、あまり考えたり立ち止まったりするヒマがなかったのである。

が、この朝、よく考えてみると、ワタクシには何一つ、(他から与えられた)義務がない、ということに気付いた。

現在のワタクシの本業は、日本酒と日本食品の輸入販売(卸)であるが、前回シリーズでちらっと書いたように、大きなシップメントは国境で足止めされたままで、カトマンズのストックが非常に薄い状態になっていた。ところへ、この震災である。昨夜歩いている段階ですら、相当数のレストランはクローズ、確認が必要ではあるが、おそらく、一般小売業等も、フルスイングでの開店はしてないだろうと思われた。

仮にそうしたお店やレストランが開いていたとしても、あちらからご注文が頂けるのならともかく、この状況で、こちらからパンフレットを手にのこのこ訪ねていって、「オサケ要らんかね」でも、あるまい。今は救助救援、災害復興が火急であって、商売のことは二の次にせざるを得ない。

となると、あとは、お引き受けさせて頂いている日本人会関係の業務くらいしかないのだが、こちらも、まず現在のカトマンズ、ネパールの状況をある程度把握しないことには、何から手をつけて良いか、見当もつかなかった。誰も困ってないのにムリに炊き出しでもなかろうし、あるいは緊急国外脱出が必要な状況になっているのに、余震その他の注意喚起をしても仕方がない。

会長職をお引き受け頂いているMさんに連絡を取ると、まずは通り一遍の注意喚起メールで良いのではないか、情報が集まってから、改めてメールニュースを流してはどうか、とのご提案を頂き、その通りにする。大使館のご担当者へ連絡してみると、とりあえず流してもらいたい情報、ということで、いくつか記事原稿を口頭で頂いたので、そちらも記載して、「震災臨時ニュース第一号」として、メールを発信した。

その後はひたすら情報収集、と、決めて、ネットで取れる情報は、全部取ろう、と、した。


・・・が、ここに来て、致命的な事態が発生した。

昨夜家に戻ってきて、電気もついてて冷蔵庫のビールもキンキンに冷えてたのに安心してしまったワタクシ、そのままキッチンと自室(寝室)の電気、見かけのテレビ等を、つけっぱで寝てしまったのだが、なんと、夜中から停電が発生していたらしく、ネットサーフィンの途中で、

ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(ホントにこのぐらいうるさいんだってば)

の音、インバーターのバッテリーが、上がってしまったのである。

普段であれば、一定時間我慢して待っていれば戻る電気、この状況下では即時の回復を望むべくもない。もっとも、このあと、まる3日間は停電が継続したから、今にして思えば、節電していようがいまいが、遅かれ早かれバッテリーは上がっていたに違いないのだが、この時はとにかく情報が欲しい中(しかもネットは生きていることがハッキリわかっている中)、インバータが落ちてしまったのは痛恨の極みであった。


さて、どうしたものか・・・。

情報が集められなくては、方針の立てようもなく、仮に立てても、それをもとに打合せをしたり、周知したりする手段にも乏しい(拙宅には固定電話がないため、通信系はすべて、電気があることが前提だ)。

食料品や水、ガス等については、そもそもすぐにストックがなくなるカトマンズ(ジャストインタイムだのカンバン方式だのは、ここ、ネパールではまったく通用しない)、モノがあるときに買い付けし、道路が動いているときに注文して、余分なまでの備蓄があるから、一人暮らしを前提に考えると、まあ、1ヶ月は、ラクに食べられそうだった。

心配なのは冷蔵庫の中のタンパク質関係(肉、魚、乳製品等)と、毎日畑から運んで売りにきている野菜類だが、これも数日分ならストックがあるし、自転車や手運びでの納品が多いので、何日か持ちこたえれば販売も再開するだろう、と見当をつけ、冷凍庫は電気が戻るまで基本的に開けない、と決めて、持久戦体制に入っておいた。

なにから手をつけるか・・・と考えているところへ、立て続けに2本の電話が入った。


(つづく)