(つづき)
ゴウサラの交差点までは軽い登りであるが、これを超えると空港まで、快適な下り道となり、自転車にとっては爽快なルートである。
その道を駆け下る前に、一旦交差点を右折して、得意先であり、ワタクシを応援してくれる知人の職場でもあるドゥワリカホテルの様子を見るために、寄り道をした。
ゴウサラの交差点までは軽い登りであるが、これを超えると空港まで、快適な下り道となり、自転車にとっては爽快なルートである。
その道を駆け下る前に、一旦交差点を右折して、得意先であり、ワタクシを応援してくれる知人の職場でもあるドゥワリカホテルの様子を見るために、寄り道をした。
ホテルでは、普段昼間は開放しているゲートをしっかりと閉じ、新規の滞在客は謝絶しているらしかった。
ハリウッドスターや世界の富豪・大富豪、有名政治家等もお忍びでお出でになるこのホテル、明らかに北アジア系のキツネ目のオッサンが、体型とは不釣り合いなMTBなどで乗り付けたものだから、一気に緊張が高まったと見えて(こら!)、オモテに駆け出してくる警備員がいたかと思うと、その後ろでは、別の警備員が施錠の状態を確認している始末である(とほほ・・・)。
「入場出来ませんっっ!」
「新規宿泊は受け付けておりませんっっ!」
と、まあ、おそらく事前に言われたマニュアル通りの受け答えをしている彼らに、
「いや、泊まりませんよ、てゆーか、泊まれませんよ、オタクみたいな高級ホテルにゃあ。被害がなかったかな、と、思って、様子を見に来ただけですよ・・・」
と弁解(なんでオレが弁解せにゃあならん、ったく)していると、ゲート脇から顔見知りのスタッフさんが現れた。
顔見知り、と言っても、お互いに何度かホテル内で見かけたことがある、という程度だが、正規職員らしい彼女が、
あら??あなた????
という顔をしたので、途端に、警備員の態度が変わった。
「被害はどうなの?」
と訊いてみると、棚からモノが落ちたり、ロビーの出退客(ちょうど入れ替えの時間だった)の軽いパニックがあったり、は、したらしいが、甚大な被害は発生してない、という。ワタクシが世話になっている日本人職員さんも無事で、むしろスタッフさんの自宅や、田舎の集落等の被害が心配だ、ということであった。
話しぶりから、中に入ってお茶、とか、もう少し詳しくお話しを、というカンジではなかった(余裕がなかった)ので、先が長いこともあり、さっさと引き返して、空港方面の坂を下り始めた。被害がなければそれで良いのだ。
いつもならこの、空港へ向かって降りていく坂を一番重いギア(外歯+最小歯)でぶっ飛ばし、その後の登りのための反重力エネルギーを稼ぐところであるが(登り切ったら空港ゲートだ)、この坂、下りきったところに小さな橋がかかっており、その下を、バグマティ川が、流れている。
バグマティ川にかかるこの小さな橋の上で立ち止まり、ちょっと北を望めば、ヒンドゥー教徒の聖地とされ、シヴァ神夜祭には世界中のヒンドゥー教徒が集う、パシュパティナート寺院がすぐそこに見える。数あるシヴァ寺院の中でも北ヒマラヤの麓に位置し、聖なる川・ガンジスの源流の一つでもあるバグマティ河畔に立つこのお寺、インド亜大陸を人体に見立てて、シヴァの頭が宿る(上にあるから)、と言われることもあって、シヴァ信仰、ヒンドゥー信仰世界においては、死ぬまでに必ず一度は行きたい寺院の一つである。カトマンズのヒンドゥー教徒はここで荼毘に付されるのが通例であり、「チナ(個人個人の占星術書)」の命運を終えた人体という、まさにヒンドゥー的意味合いでの「亡き骸」が、聖なる川・ガンジスへ帰っていく場所でもある。
一昨日以来、(画像以外は)生々しい光景を目にしてこなかったワタクシ、ここだけは、目を閉じて見ないふり、というわけにはいかないだろうなあ、と、朝、ルートを決めた時から、軽い覚悟をしていたのであった。
(つづく)
読んで下さっている皆さん、本当にありがとうございます。
記憶が新しいうちに記録を、と思い、書き残しております。
不思議なモノで、よほど強烈な体験だったのか、その時その時の、ひとつひとつの光景や音や空気感や匂いや、その他さまざまな感覚的知覚的記憶が、書きながらどんどん蘇ってくるもので・・・。
いちいち細かく、長くてスミマセンが、自分の記録として、このまま書き進めます。
あしからずご理解頂きますとともに、よかったら、読んでやって下さい。
もう一度、ありがとうございます。
(ちなみにちゃんと仕事もしてますので、ご心配なく。ご注文の方は、お声がけ下さい。笑)
ハリウッドスターや世界の富豪・大富豪、有名政治家等もお忍びでお出でになるこのホテル、明らかに北アジア系のキツネ目のオッサンが、体型とは不釣り合いなMTBなどで乗り付けたものだから、一気に緊張が高まったと見えて(こら!)、オモテに駆け出してくる警備員がいたかと思うと、その後ろでは、別の警備員が施錠の状態を確認している始末である(とほほ・・・)。
「入場出来ませんっっ!」
「新規宿泊は受け付けておりませんっっ!」
と、まあ、おそらく事前に言われたマニュアル通りの受け答えをしている彼らに、
「いや、泊まりませんよ、てゆーか、泊まれませんよ、オタクみたいな高級ホテルにゃあ。被害がなかったかな、と、思って、様子を見に来ただけですよ・・・」
と弁解(なんでオレが弁解せにゃあならん、ったく)していると、ゲート脇から顔見知りのスタッフさんが現れた。
顔見知り、と言っても、お互いに何度かホテル内で見かけたことがある、という程度だが、正規職員らしい彼女が、
あら??あなた????
という顔をしたので、途端に、警備員の態度が変わった。
「被害はどうなの?」
と訊いてみると、棚からモノが落ちたり、ロビーの出退客(ちょうど入れ替えの時間だった)の軽いパニックがあったり、は、したらしいが、甚大な被害は発生してない、という。ワタクシが世話になっている日本人職員さんも無事で、むしろスタッフさんの自宅や、田舎の集落等の被害が心配だ、ということであった。
話しぶりから、中に入ってお茶、とか、もう少し詳しくお話しを、というカンジではなかった(余裕がなかった)ので、先が長いこともあり、さっさと引き返して、空港方面の坂を下り始めた。被害がなければそれで良いのだ。
いつもならこの、空港へ向かって降りていく坂を一番重いギア(外歯+最小歯)でぶっ飛ばし、その後の登りのための反重力エネルギーを稼ぐところであるが(登り切ったら空港ゲートだ)、この坂、下りきったところに小さな橋がかかっており、その下を、バグマティ川が、流れている。
バグマティ川にかかるこの小さな橋の上で立ち止まり、ちょっと北を望めば、ヒンドゥー教徒の聖地とされ、シヴァ神夜祭には世界中のヒンドゥー教徒が集う、パシュパティナート寺院がすぐそこに見える。数あるシヴァ寺院の中でも北ヒマラヤの麓に位置し、聖なる川・ガンジスの源流の一つでもあるバグマティ河畔に立つこのお寺、インド亜大陸を人体に見立てて、シヴァの頭が宿る(上にあるから)、と言われることもあって、シヴァ信仰、ヒンドゥー信仰世界においては、死ぬまでに必ず一度は行きたい寺院の一つである。カトマンズのヒンドゥー教徒はここで荼毘に付されるのが通例であり、「チナ(個人個人の占星術書)」の命運を終えた人体という、まさにヒンドゥー的意味合いでの「亡き骸」が、聖なる川・ガンジスへ帰っていく場所でもある。
一昨日以来、(画像以外は)生々しい光景を目にしてこなかったワタクシ、ここだけは、目を閉じて見ないふり、というわけにはいかないだろうなあ、と、朝、ルートを決めた時から、軽い覚悟をしていたのであった。
(つづく)
読んで下さっている皆さん、本当にありがとうございます。
記憶が新しいうちに記録を、と思い、書き残しております。
不思議なモノで、よほど強烈な体験だったのか、その時その時の、ひとつひとつの光景や音や空気感や匂いや、その他さまざまな感覚的知覚的記憶が、書きながらどんどん蘇ってくるもので・・・。
いちいち細かく、長くてスミマセンが、自分の記録として、このまま書き進めます。
あしからずご理解頂きますとともに、よかったら、読んでやって下さい。
もう一度、ありがとうございます。
(ちなみにちゃんと仕事もしてますので、ご心配なく。ご注文の方は、お声がけ下さい。笑)