各位
スミマセン、またリンクをまちがえてました。失礼しました。
(つづき)
それにしても、と、走りながら思いを馳せる。
カトマンズ盆地の道路拡張、やっている最中は非常に評判が悪かった。やれ、朝一番で道路いっぱいに材料となる土が盛られ、クルマが通れない、だの、それ、道路の工事をやりかけのまま放り出して、いつまでたってもやらないものだから、土ボコリがヒドい、だの、まあ、実際その通りなので、その辺の不手際を擁護する気は一切ないが、仕事をやりきって、かなり快適な走行ができるようになった今だから、施工従事者の名誉のために、書いておこう。
スミマセン、またリンクをまちがえてました。失礼しました。
(つづき)
それにしても、と、走りながら思いを馳せる。
カトマンズ盆地の道路拡張、やっている最中は非常に評判が悪かった。やれ、朝一番で道路いっぱいに材料となる土が盛られ、クルマが通れない、だの、それ、道路の工事をやりかけのまま放り出して、いつまでたってもやらないものだから、土ボコリがヒドい、だの、まあ、実際その通りなので、その辺の不手際を擁護する気は一切ないが、仕事をやりきって、かなり快適な走行ができるようになった今だから、施工従事者の名誉のために、書いておこう。
既に車社会に突入しているカトマンズで、既存の道路を拡幅する、というのが、いかに困難か。
まず、不法居住者の退去手続き、その実施、完了をしなければならない。必要に応じて金銭的あるいは代替的補償を行い、退去後の土地を整地する、ここまでが、物理的課題の第一歩である。当然この課題には、実施機関の割り振り、対象者の洗い出し、退去要請手続き等々の実務的作業に加え、予算の算定と確保、という、金銭面での課題も含まれる。
退去後の土地の整地、拡幅・拡張部分の設計、実施計画・実施工程の作成、業者選定手続きの確定、これらの、いわゆる「工事」の計画実務をやる一方で、実際に工事に着手し、完了するための(SAARC開催に間に合わせるための)社会的理解を取り付けなければならない。
そして、これら計画等の中で、カトマンズの既設道路拡幅に於いて、もっとも手を焼くのが、関係官庁・関連機関との、正確で緻密な連携、である。
試しに、ぱっ、と、ご自身のご近所の道路を観察して頂きたい。
どなたの目にも、まず、道路脇の電柱と、スパゲティのように絡み合った、頭上の電線が目に入るだろう。これら電柱や電線は、ネパール電力庁(NEA)の所轄である、ということは、たぶん、多くの方がご存じだと思う。従って、道路拡張・拡幅に際しての、電柱・電線関係の関係官庁はNEA、と考えがちなのであるが、甘い、道路拡幅に当たって必要となる、電柱の移設・新設作業、電線の敷設作業、ところどころの電柱上に設けられた受変電装置(ときどきどかああああん、と音を立てて爆発している、電柱の上の鉄製のハコ、アレですね)の移設・新設、新規電線と各家庭の接続(いわゆる引き込み作業)、これらすべて、担当部署が違うのですね(え゛っっ・・・???汗)。
しかもそれが、カトマンズ盆地内各変電所(こちらは川べりや山すそで時々見かける、上述した鉄製のハコのお化けみたいなのがゴロゴロ設置されて、まあ、たいがい土塀かレンガ塀か有刺鉄線あたりで囲ってある、アレのことです。送電用のトラス鉄柱がたくさん立っていて、でも普段はなにしてるんだか、全然わからないアレ、そう、アレが変電所)ごとに、担当エリアが分かれていて(管轄ですね)、なおかつ、各エリア内でもメインの送電ライン毎に担当班が分かれていて、しかもそのエリアの中に、有事や災害時でも絶対に緊急復旧しなければならない施設(政府官庁とかUNを始めとする国際援助機関とか、大病院とか)が含まれていれば、それはそれでまた、違うライン・班・担当になっていたりして、あ〜〜〜、もう、わけわからんぞ、ぜえぜえ。
従って容易に想像ができるように、例えば、そうね、まあ、ラジンパットのあるエリアの電線を4m、道路の外向きに動かして欲しい、と言っても、西側はA変電所のB班担当、東側はC変電所のD班担当、のようなことが、へーきで発生するのである。でもって、A変電所のB班は、電柱の移設はできるけれども、電線を新設して各家庭に引き込むのは、各エリアを担当している本庁の課金チームの許認可と専門部隊が必要だったり、途中にところどころ設置されている受変電装置は、これまた受変電装置専門の部隊でなければやれなかったり、といった、ある程度システマチックにやっているが故に発生する、パズル的課題が山積しているのである。
さらにさらに、メイン通りの電柱には、A、C、Fの全ての変電所の電線が通っていたり、どこから延びてる電線かわからないので必死にたぐってみたら、実はどこにも繋がっていなかったり(ホントにあるんだってば!)、こうした物理的課題に加え、やれA班の班長さんは子供のお食い初めだ、それB班の実務の要のディパックさんはお父さんの法事で来週いっぱいお休みだ、今日来て必ず終わらせる、と言っていた受変電装置専門の部隊は、作業車の運転ができるスニルさんが「いや、でも、今日を逃したら来月は『いい日』が、ないらしいんですよ、ジョティシ(占星術師)によると」という理由で突然親戚の新しいお店の地鎮祭に呼ばれ・・・、と、まあ、これらのパズルを一挙に解決するには、バッタライパワーを持ってするしか、ない(よねえ、ホントに、そう思うよ、ワタクシは)。
なるほどねえ、大変なのねえ、言われてみればそうよねえ・・・じゃないんです、アナタ。そう!そこのアナタ!
これは今、あくまで電柱と電線を管轄している、NEAのハナシをしているにすぎない(!)。
道路の周りには、電話線も通されている。水道もある。電話線は、個別に電柱を建てていることもあれば、NEAの電柱を間借りしていることも、ある。場所によっては、地中に埋められていることも、あるのである。でもって、昔の日本もそうだったのであるが、
「その電話線がどこを通っているか、記録が、ない」
どないせえ、ちゅーねん・・・・。
(つづく)
まず、不法居住者の退去手続き、その実施、完了をしなければならない。必要に応じて金銭的あるいは代替的補償を行い、退去後の土地を整地する、ここまでが、物理的課題の第一歩である。当然この課題には、実施機関の割り振り、対象者の洗い出し、退去要請手続き等々の実務的作業に加え、予算の算定と確保、という、金銭面での課題も含まれる。
退去後の土地の整地、拡幅・拡張部分の設計、実施計画・実施工程の作成、業者選定手続きの確定、これらの、いわゆる「工事」の計画実務をやる一方で、実際に工事に着手し、完了するための(SAARC開催に間に合わせるための)社会的理解を取り付けなければならない。
そして、これら計画等の中で、カトマンズの既設道路拡幅に於いて、もっとも手を焼くのが、関係官庁・関連機関との、正確で緻密な連携、である。
試しに、ぱっ、と、ご自身のご近所の道路を観察して頂きたい。
どなたの目にも、まず、道路脇の電柱と、スパゲティのように絡み合った、頭上の電線が目に入るだろう。これら電柱や電線は、ネパール電力庁(NEA)の所轄である、ということは、たぶん、多くの方がご存じだと思う。従って、道路拡張・拡幅に際しての、電柱・電線関係の関係官庁はNEA、と考えがちなのであるが、甘い、道路拡幅に当たって必要となる、電柱の移設・新設作業、電線の敷設作業、ところどころの電柱上に設けられた受変電装置(ときどきどかああああん、と音を立てて爆発している、電柱の上の鉄製のハコ、アレですね)の移設・新設、新規電線と各家庭の接続(いわゆる引き込み作業)、これらすべて、担当部署が違うのですね(え゛っっ・・・???汗)。
しかもそれが、カトマンズ盆地内各変電所(こちらは川べりや山すそで時々見かける、上述した鉄製のハコのお化けみたいなのがゴロゴロ設置されて、まあ、たいがい土塀かレンガ塀か有刺鉄線あたりで囲ってある、アレのことです。送電用のトラス鉄柱がたくさん立っていて、でも普段はなにしてるんだか、全然わからないアレ、そう、アレが変電所)ごとに、担当エリアが分かれていて(管轄ですね)、なおかつ、各エリア内でもメインの送電ライン毎に担当班が分かれていて、しかもそのエリアの中に、有事や災害時でも絶対に緊急復旧しなければならない施設(政府官庁とかUNを始めとする国際援助機関とか、大病院とか)が含まれていれば、それはそれでまた、違うライン・班・担当になっていたりして、あ〜〜〜、もう、わけわからんぞ、ぜえぜえ。
従って容易に想像ができるように、例えば、そうね、まあ、ラジンパットのあるエリアの電線を4m、道路の外向きに動かして欲しい、と言っても、西側はA変電所のB班担当、東側はC変電所のD班担当、のようなことが、へーきで発生するのである。でもって、A変電所のB班は、電柱の移設はできるけれども、電線を新設して各家庭に引き込むのは、各エリアを担当している本庁の課金チームの許認可と専門部隊が必要だったり、途中にところどころ設置されている受変電装置は、これまた受変電装置専門の部隊でなければやれなかったり、といった、ある程度システマチックにやっているが故に発生する、パズル的課題が山積しているのである。
さらにさらに、メイン通りの電柱には、A、C、Fの全ての変電所の電線が通っていたり、どこから延びてる電線かわからないので必死にたぐってみたら、実はどこにも繋がっていなかったり(ホントにあるんだってば!)、こうした物理的課題に加え、やれA班の班長さんは子供のお食い初めだ、それB班の実務の要のディパックさんはお父さんの法事で来週いっぱいお休みだ、今日来て必ず終わらせる、と言っていた受変電装置専門の部隊は、作業車の運転ができるスニルさんが「いや、でも、今日を逃したら来月は『いい日』が、ないらしいんですよ、ジョティシ(占星術師)によると」という理由で突然親戚の新しいお店の地鎮祭に呼ばれ・・・、と、まあ、これらのパズルを一挙に解決するには、バッタライパワーを持ってするしか、ない(よねえ、ホントに、そう思うよ、ワタクシは)。
なるほどねえ、大変なのねえ、言われてみればそうよねえ・・・じゃないんです、アナタ。そう!そこのアナタ!
これは今、あくまで電柱と電線を管轄している、NEAのハナシをしているにすぎない(!)。
道路の周りには、電話線も通されている。水道もある。電話線は、個別に電柱を建てていることもあれば、NEAの電柱を間借りしていることも、ある。場所によっては、地中に埋められていることも、あるのである。でもって、昔の日本もそうだったのであるが、
「その電話線がどこを通っているか、記録が、ない」
どないせえ、ちゅーねん・・・・。
(つづく)